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第6回「チームを成功に導くリーダーシップ」

~ポジティブな影響力~

第6回授業の内容

第5回の振り返り

A. カルロス・クライバー(Carlos Kleiber)
楽団員に自由を与え、自発的な表現を引き出すスタイル。
身振りが柔らかく、明確に意思を示しつつも強制しない。
音楽を“共に創る”喜びを重視し、信頼を基盤とした関係を築く。
組織の「余白」に力を与えることで、創造性が生まれる。
“静かなる統率”により、調和と美を引き出すリーダー像。

B. リッカルド・ムーティー(Riccardo Muti)
明確な命令と強い統率力でオーケストラを制御するスタイル。
自身の解釈を最優先し、楽団員に従順さを求める。
指揮に力強さがあり、権威による統率を感じさせる。
結果は正確だが、メンバーの主体性や創造性を抑える傾向。
権威型リーダーシップの典型とされる。

テキスト第6章「リーダーシップの特徴」

(P.39~P.46)

【目標】
・この授業で学ぶリーダーシップの特徴「誰もがリーダーシップを発揮できる」ことを理解する。

Why Should Anyone Be Led by You?

2006年にハーバード・ビジネス・スクール・プレスから出版

ロブ・ゴーフィー(Rob Gofee)/ガレス・ジョーンズ(Gareth Jones)(著)

『なぜ、あなたがリーダーなのか[新版]』英治出版

著者:ロブ・ゴーフィー、ガレス・ジョーンズ

訳者:アーサー・ディ・リトル・ジャパン

出版社:英治出版

発売日:2017年1月31日

この書籍は、彼らが約25年にわたって行ってきたリーダーシップに関する研究の集大成です。彼らの研究の目的は、「なぜ人はあるリーダーについていきたくなるのか(=フォロワーシップの本質)」という問いに答えることであり、画一的なリーダー像ではなく、“本物のリーダーシップ”とは何かを明らかにすることにありました。

この研究は、以下の3つの観点から構成されています:


非階層性(Hierarchy-free leadership)
肩書きに頼らず、人として信頼されることの重要性

従来のリーダー像は「上に立つ人」「権限を持つ人」というイメージでしたが、彼らは「肩書きに関係なく、人として“ついていきたい”と思わせるリーダー」が本物であると指摘します。
そのために必要なのは、完璧さよりも「人間味」。自分の弱さや失敗も適切に見せることで、周囲との距離が縮まり、信頼が深まります。

関係性(Relational approach)
一人ひとりに寄り添いながら信頼を築き、前向きな行動を引き出す力

リーダーはただ命令を出す人ではありません。相手をよく知り、話を聞き、気持ちに寄り添うことが大切だと彼らは説いています。
そのうえで、ときには厳しいことも正直に伝え、成長を促す姿勢が必要です。これを彼らは「厳しい共感(tough empathy)」と呼んでいます。
このような関わり方が、部下のやる気を引き出し、信頼されるチームづくりにつながっていきます。

状況対応性(Contextual adaptability)
環境に働きかけ、意味ある変化を生み出すリーダーシップ

優れたリーダーは、与えられた環境に単に適応するのではなく、その環境に働きかけ、状況そのものを好ましい方向へ再構築する力を持っています。
現場での工夫や努力だけでは成果が上がらない場合、上司やクライアントとの対話・交渉を通じて、制度や目標設定など“上位の条件”を変革するアクションも必要になります。
このような状況対応型のリーダーには、自分自身の強み・弱み・価値観を深く理解し、「どんな自分をどう見せるか」を戦略的に選び取る柔軟性が求められます。
つまり、“自分らしさ”を保ちながらも、環境と周囲に対して影響力を発揮できる「意味ある変化の担い手」こそが、現代的なリーダーなのです。


このような視点をもとに、彼らはまわりの人にやる気や希望を与え、行動を促すようなリーダーに共通する4つの特徴を明らかにしました。
これらの特性は、リーダーがフォロワーの心、知性、魂を捉えるために不可欠であり、従来のリーダーシップ論とは異なる「自分らしさに根ざした実践的なリーダーシップ像」を提示しています。
そのアプローチは、今日のビジネスや教育の現場で広く受け入れられ、リーダー育成の指針として高く評価されています。

自分のリーダーシップ・ポテンシャルを探る『7つの問い』

あなたが“自分らしいリーダーシップ”を発揮するために、大切な7つの視点を見つめ直してみましょう。
この問いを通じて、自分の強みやスタイル、他者との関わり方を振り返ることができます。


◆ 自分を知る

  1. あなたにしかない「持ち味」は何ですか?
     ― 他の人にはない、あなたならではの魅力や強みとは?
  2. ちょっと笑える「愛すべき欠点」は何ですか?
     ― 完璧じゃないところが、かえって人を惹きつけることもあります。

◆ 周囲との関わり方を見つめる

  1. 小さな変化の兆しに気づく力はありますか?
     ― チームや相手の雰囲気の変化に敏感になれていますか?
  2. 必要に応じて「譲る・妥協する」ことができますか?
     ― 自分の意見だけでなく、全体のバランスも考えていますか?
  3. 人との距離感をうまく調整できていますか?
     ― 近すぎず遠すぎず、信頼関係を築く距離を意識していますか?

◆ チームとつながる

  1. 組織やチームのリズム・空気感を感じ取れていますか?
     ― 一人で突っ走らず、全体の流れをつかんでいますか?
  2. 相手に届くコミュニケーションができていますか?
     ― 自分の考えを伝えるだけでなく、相手の反応を引き出せていますか?

グループディスカッションへ

これらの問いを参考にしながら、「自分はどの問いに自信があるか?」「もっと伸ばしたい視点はどこか?」を話し合ってみましょう。
他の人の視点から気づきを得ることも、リーダーへの第一歩です。

以上

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※提出課題は、個別クラスの指示に従ってください。

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