~ポジティブな影響力~
第6回の振り返り
第7章「変化するリーダーシップ」
(テキスト:P.47~P.52)
【目標】
- 「誰もがリーダーシップを発揮できる」という、本授業で学ぶリーダーシップの特徴を理解する
- リーダーシップのあり方が、時代や社会の変化とともに進化してきたことを学ぶ
1.変化するリーダーシップ
教育水準の向上やインターネットの発達により、従来の「命令と統制」によるリーダーシップには限界が見え始めています。 現代では、持続的に望ましい成果を生み出すために、共感・同意・自律性を促進するような、より柔軟で人間中心のリーダーシップスタイルが求められています。
私たちがこれまでにイメージしてきた「リーダー像」は、一つの固定されたものではありません。カリスマ的なリーダー、大企業のトップ、軍隊の指揮官――それぞれの時代や組織において、求められるリーダーシップのスタイルは大きく異なってきました。
この章では、「リーダーは特別な人だけがなれる」という固定観念から離れ、誰もが状況に応じてリーダーシップを発揮できるという現代的な考え方を学びます。
また、リーダーシップの変遷を歴史的に振り返りながら、現代社会が求める新しいリーダー像についても考えていきます。
◆先ず自身で考え、次にチームで共有しましょう!
1.「命令と統制によるリーダーシップ」とはどういうものか?
具体的な例を考えよう。 具体的な事例(誰が、どんな言葉・行動・態度)

⓵「意見はいいから、黙って従って」
- 場面:大学のサークルで新しいイベント企画を出そうとしたとき
- リーダーの言動:
「もう内容は決まってるから。変な提案しないで、言われたことだけやって」 - 影響:メンバーのやる気が下がり、チームの活気がなくなる
⓶ 「自分の役割だけやってくれればいい」
- 場面:学生プロジェクトで、メンバーが他の担当にも協力しようとしたとき
- 上の立場の人の言動:
「担当外のことに口出ししないで。混乱するだけだから」 - 影響:協力しようとした気持ちが無視され、積極性が失われる
③ 「まずは言われた通りに動け」
- 場面:新入社員が仕事の進め方に疑問を持ち、改善提案をしたとき
- 上司の言動:
「新人が意見するな。まずは3年、黙って言われた通りにやれ」 - 影響:挑戦心や成長意欲がしぼみ、指示待ち姿勢になる
⓸「余計なことはするな。報告だけしてくれればいい」
- 場面:業務の中で現場判断し、トラブル対応を行ったあと
- 課長の言動:
「勝手なことをするな。何かあったら必ず報告を入れろ」 - 影響:責任を取らされる不安が強くなり、判断力が鈍る
⓹「うちは昔からこのやり方だ」
- 場面:現場の改善案を提案しようとしたとき
- 部門長の言動:
「変える必要はない。余計な波風を立てるな」 - 影響:現場の知恵や改善の芽が摘まれ、組織の停滞につながる

2.「トップ・上司がすべてを決定してしまう」そんな組織はどうなります?
・現場の意見はどれだけ活かされるでしょうか?
・メンバーのやる気や創造性には、どんな影響があるでしょうか?
・トップがいないとき、その組織はどう機能するでしょうか?

現場の声が無視される
→ 実態を知らないトップの判断が続き、的外れな対応が増える。
メンバーが「指示待ち」になりやすい
→ 自分で考えたり動いたりする力が弱まり、柔軟性が失われる。
変化への対応が遅れる
→ 現場の気づきを活かせず、トップの判断を待つ間にチャンスを逃す。
リーダーが不在だと組織が止まる
→ 決定が集中しているため、上司がいないと何も決められなくなる。
挑戦や改善の意欲が失われる
→ 新しい提案をしても受け入れられず、現状維持が当たり前になる。
責任感ややりがいが感じにくくなる
→ 「どうせ決めるのは上司」と感じ、自分ごととして仕事に向き合えない。
優秀な人材ほど離れていく
→ 自律的に働ける環境を求めて、成長志向の人材が組織を去っていく。

3.なぜ、リーダーシップが変わらざるを得なくなってきたのか?

・ビジネス環境の変化が激しく、トップや上司だけではすべてを判断・指示できない
・現場に近いメンバーが「アンテナ」を高く持ち、情報収集・共有し、柔軟に対応する必要がある
・多様な価値観のもと、「共感」や「納得」が人を動かす時代になっている
・インターネットの普及により、情報格差がなくなり、命令型リーダーシップが機能しにくくなった
・心理的安全性が求められ、自由に発言できる環境がチームの創造性と成果を高める

まとめ
これまでのリーダーシップは「指示する人」と「従う人」という明確な上下関係を前提としてきました。 しかし、時代は大きく変わり、誰もが情報を持ち、誰もが意見を持つ時代へと移行しています。
これからの時代に求められるリーダーは、「命令する人」ではなく、共に考え、共に動き、共に育つ人です。 そして、リーダーシップは立場や肩書きではなく、一人ひとりが発揮できる力であることを、私たちは理解しておく必要があります。
あなた自身のなかにも、チームや組織をより良い方向に導くリーダーシップの芽があります。 ぜひ、日々の中で「小さなリーダーシップ」を意識してみてください。

かつてのリーダーシップは、「指示する人」と「従う人」という明確な階層関係を前提としていました。 しかし、時代は変わりました。これからのリーダーは、思考し、行動し、ともに成長することを促す存在でなければなりません。
リーダーシップは、地位や肩書きに左右されるものではなく、誰もが日々の中で発揮できる力なのです。
以上
※提出課題は、個別クラスの指示に従ってください。

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