WIDEBOOK

 対面研修  配信型オンデマンド  管理型e-Learning(MOODLE)  オンライン教育  


 人間力・個別コース 階層別研修 IT・DX 人事 財務会計 大学等授業

第8回「チームを成功に導くリーダーシップ」

~ポジティブな影響力~

第8章「リーダーシップの実践:VSOPモデル

リーダーシップの定義(P&Gの「3つのE」をベースに)

 私たちTeam CANで、P&Gのリーダーシップ定義である「3つのE(Envision, Energize, Enable)」の考え方をベースにし、独自のリーダーシップ実践モデルとして「VSOPモデル」を策定しました。

◆VSOPモデル

①:ビジョン(V:Visioning)ビジョンの創出・共有

②:戦略(S:Strategy Setting)戦略の策定

③:共有(O:Objective Sharing)目的の共感と対話による浸透

④:パッション(P:Passion to Win)成功への情熱の伝播

  • 起点となった問い:「日本企業における“本当に機能するリーダーシップモデル”とは何か?」
  • 開発メンバー: Team CAN(Change Agent Network)
    • 斧出 吉隆(元P&G・USJ・マクドナルド人事責任者)
    • 小森 康充(営業・交渉スキル研修のプロフェッショナル)
    • 廣本 亜矢子(人材育成プログラム開発、若手起業家育成)
    • 廣本 寿夫(富士通コンサルタント養成プロジェクト、起業家育成)
  • ベース理論: P&Gの「3つのE(Envision, Energize, Enable)」
  • 目的: 日本の組織風土に適した、実践可能で再現性のあるリーダーシップ行動モデルの構築

ミッション・ビジョン・戦略・計画・管理・業務

1.会社(団体)のミッション・戦略を記述してください。

  次に、自分自身のミッション・ビジョン・戦略・計画を記述してください。

2.話せる範囲で、グループ内で共有してください。

 このワークでは、「ミッション」「ビジョン」「戦略」「計画」「管理」「業務」という階層構造をもとに、まず会社や団体の方向性を再確認し、それに照らして自分自身のあり方(個人のミッション・ビジョン)を考えることに取り組んでいただきました。

 組織の理念や方針は、私たち一人ひとりの行動の指針となります。同時に、自分自身のミッションやビジョンを明確にすることで、仕事に対する主体性や意義が深まり、より高いレベルでの貢献が可能になります。

 今回の対話や記述を通じて、「自分は何のためにこの組織にいるのか」「どこに向かって努力していくのか」を改めて言葉にできたことは、大きな一歩です。ぜひ今後も、この気づきを日々の業務に活かし、戦略や計画を自らデザインできる存在を目指していきましょう。

⓵Visioning(ビジョンを持つ)

 存在意義から始まるリーダーシップ

――Purpose・Mission・Vision・Principle・Ethicsの重層構造――

 組織や個人が真にリーダーシップを発揮するためには、自らの存在意義(Purpose/Mission)を深く見つめ直すことが出発点となります。 そこには、「私たちは何のために存在するのか」「社会にどんな意味を持つのか」という根源的な問いへの答えが求められます。

■ Purpose(志):なぜ存在するのか

 Purposeとは、「存在する理由」「志(こころざし)」を表します。 それは、個人や組織が社会に対して果たすべき意義や価値を、より根本的・抽象的なレベルで示すものです。

例:未来をつくる人材を育てることで、社会をよりよいものにする。

■ Mission(使命):何をするのか

Missionは、Purposeを土台としながら、現在の行動や活動内容を具体的に示すものです。 日々の実践や事業活動を通じて、自らの存在意義をどう体現していくかを明文化します。

例:すべての学生に質の高い教育と学習環境を提供する。

■ Vision(将来像):どうありたいか

 PurposeとMissionを踏まえ、未来における理想の姿を描くことがVisionです。
社会や組織、そして自分自身がどう成長し、何を実現したいのかを明確にし、方向性を共有する旗印となります。

■ Principle(行動原則):どう行動するか

 Visionを実現するためには、日々どのような判断をし、どのような態度で臨むのかという行動原則が欠かせません。
 ブレない軸として、チームや組織の意思決定に一貫性をもたらします。

■ Ethics(倫理観):何に基づいて判断するのか

 そして、名和高司先生が強調するように、リーダーシップの根底には「エシックス(倫理観)」が必要不可欠です。 倫理観は、短期的な成果や効率よりも、人間としての誠実さ、公正さ、そして未来世代への責任を重視します。


 このように、Purpose → Mission → Vision → Principle → Ethics の順に明確化することで、あなた自身、または組織のリーダーシップは「内側からの説得力」を持ち、周囲に方向性と意義を伝える力を帯びていきます。

 「何をするか」ではなく、「なぜするか」から始めましょう。
 そこに、真のリーダーシップの起点があります。

 将来あるべき姿を明確に描き、自分自身とチームをその方向へ導く力。何のために取り組むのかを示し、行動の指針を与える役割を果たします。

 個人や組織が、何としてでも成し遂げたいと思う、「将来のあるべき姿」のこと
 「 夢 」 = 「ビジョン」 = 「目標」 「目的」

◆ ビル・ゲイツ(Bill Gates)|マイクロソフト創業者

「成功の秘訣はビジョンだ。現実より未来を信じる力が、次の時代をつくる。」

背景と解説:
 ビル・ゲイツが描いたのは、まだ誰も家庭にパソコンを持っていなかった時代に、「すべての机とすべての家庭にコンピュータを」という大胆なビジョンでした。多くの人がその実現性を疑う中で、彼はOS(MS-DOS、Windows)とアプリケーション(Office)の普及を通じ、パソコンの民主化を実現。未来を具体的に思い描き、技術と市場を結びつけてきた先見性と行動力が、まさにVisioningの体現です。

◆ スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)|Apple創業者

「必要なのは共通のビジョン。それを提供するのがリーダーシップだ。」

背景と解説:
 ジョブズのビジョンは、「人々の生活と創造性を変えるテクノロジーをつくること」でした。彼の真価は、製品そのものではなく、「世界をどう変えたいか」という強い未来像を持っていた点にあります。iPod、iPhone、MacBookなどは単なる道具ではなく、「使いやすさと美しさを兼ね備えた未来の道具」というビジョンの結晶です。社員やユーザーをそのビジョンに巻き込む力は、リーダーの最も重要な資質のひとつです。

◆ 稲盛和夫(Inamori Kazuo)|京セラ・KDDI創業者/JAL再建者

「動機善なりや、私心なかりしか」

背景と解説:
 稲盛氏のビジョンは、「全従業員の物心両面の幸福を追求し、社会に貢献する企業をつくる」というもの。単に利益を追求するのではなく、経営の目的自体に“善き動機”を据えたビジョンです。JAL再建の際にも、財務よりも「社員の誇り」や「人としての原理原則」を重視するリーダーシップを貫きました。内発的な価値観からビジョンを形成する姿勢は、Purpose(存在意義)に根差したVisioningの好例です。

◆ イチロー(Ichiro Suzuki)|プロ野球選手

「夢をつかむというのは、一気にはできない。小さなことを積み重ねることでしか、夢は実現できない。」

背景と解説:
 イチロー選手のビジョンは、「日本人がメジャーリーグで活躍する」という、かつては前例のないチャレンジでした。彼はその実現のために、少年時代から日々の練習や生活態度にまで徹底的にこだわる姿勢を貫きました。
Visioningは、単なる夢想ではなく、現実を変えていく意志と習慣の積み重ねであることを示す好例です。ビジョンがあるからこそ、日々の努力に意味が宿る──それを体現しています。

◆仮に、貴方が考える個人のビジョンを記述してください。

【個人ビジョン記述シート】


◆ 氏名:

◆ 所属・役職(任意):


1. 自己内省:これまでの自分を振り返る

  • 過去の成功体験・やりがいを感じた出来事は?:
  • 過去の失敗や挫折から学んだことは?:
  • 自分が心からワクワクした経験・分野は?:

2. 未来志向:なりたい自分・描く未来

  • 5年後・10年後に、どんな姿になっていたいですか?:
  • 社会や周囲にどんな影響を与えたいですか?:
  • 解決したい社会課題・業界課題はありますか?:

3. 他者との関係性:周囲とのつながり

  • 周囲からどのような存在として認識されたいですか?:
  • 誰と、何を共有し、どんなチームを作りたいですか?:

4. あなたのビジョン(30〜100文字程度でまとめてください)

(例:「私は、教育とテクノロジーを融合させ、すべての人が学ぶ喜びを感じられる社会を実現したい」)

私のビジョン(Vision):

次は、Visionを見つけるカジュアルな手法にチャレンジします。
「今、実現したい「夢」を、100個記述してください。」

※ 1日中ブランコを漕ぎたい。
 高尾山は途中でやめてもいいが、富士山には最後まで登る。
 ケーキを死ぬほど食べたい・・・・

あまり考えすぎず、思いつくものを沢山(100個ぐらい)記述してください。

1.

2.

3.

4.

5.

     ・

     ・

     ・

※この中から、貴方の夢のカケラが見えてきます。

 「ビジョンは、“夢”と“行動”をつなぐ架け橋」

 皆さん、今日のワークを通じて、自分の過去を振り返り、これからの未来を描くプロセスに取り組んでいただきました。

 「ビジョン」とは、遠い夢を現実に近づけるための「未来の設計図」です。
それは、ただの願望ではなく、自分の価値観や情熱、そして社会との関係性に根ざした「意味ある未来像」です。

 100個の「夢」を書き出す中で、どこかにあなた自身の「ビジョンのカケラ」があったはずです。 それらを手がかりに、「自分は何のために生き、何を成し遂げたいのか」を見つめ続けてください。

Visioningとは、自分自身に問い続ける力です。
 その問いが、人生やキャリアを自らデザインする力につながっていきます。

以上

最初(第1章)に戻る

※提出課題は、個別クラスの指示に従ってください。

〒569-0088
大阪府高槻市天王町4-1 広本ビル1階
株式会社ワイドブック
代表取締役 廣本寿夫
072-691-6667
080-5036-1468(携帯電話)
say@widebook.net
https://www.widebook.net/