「順次・分岐・反復」の3つの基本処理構造を軸に、プログラムの設計力とロジカルな思考力を、C言語を通じて体系的に習得します。

はじめに
- プログラミングは「考え方」で理解できる
- このノートの使い方と特長(e-Learning連動型)
- 現状チェック(学習スタート前の自己評価)
プログラミングは「考え方」で理解できる
「プログラミングは難しそうだ」と感じている方は、ぜひこのテキストを通じて、プログラミングの“コツ”を掴んでください。 その“コツ”とは、実は 「基本的な処理を理解すること」 に尽きます。
「そんなことはもう分かっている」という方も、一度、どこまで理解できているかを確認してみましょう。 というのも、実際のところ、世の中のすべてのプログラム──巨大なシステムでも、スマートフォンの小さなアプリでも──は、たった3つの基本処理の組み合わせで構成されているのです。
つまり、この3つをしっかり理解することができれば、プログラミングはそれほど難しいものではなくなります。まずは、「自分がどこまで理解できているか」を見つめ直すことから始めてみましょう。 このテキストを通じて、あなたのプログラミングスキルに自信が持てるようになることを願っています。
このノートの使い方と特長(e-Learning連動型)
- 学校や企業・団体での対面授業用教材として
- 時間や場所を選ばないオンデマンド映像併用型・自己学習用教材として
- インターネットを通じたオンライン授業用教材として
それぞれの学習環境に応じて、柔軟にご活用いただけます。

第1章 順次処理 ― 順番に命令を実行する
0 ハーローワールド! ― プログラムを動かしてみよう
1-1. 順次処理とは?
1-2. 人とロボットの動作から考える
1-3. 朝のルーティーンをフローチャートからプログラムで表す
1-4. printf命令で順に表示してみよう(演習)
1-5. 順次処理の応用と落とし穴
1-6. ミニテスト&レベルチェック①
第2章 分岐処理 ― 条件によって動作を変える
2-1. 分岐処理とは?
2-2. 「もし〜なら…」をプログラムで書く
2-3. if文の書き方と条件式の基本
2-4. 変数と入力の導入(scanfの使い方)
2-5. 複数条件の扱い(if-else if/switch)
2-6. 実例:合否判定/信号の動作シミュレーション
2-7. ミニテスト&レベルチェック②
第3章 反復処理 ― 同じ処理をくり返す
3-1. 反復処理とは?
3-2. for文とwhile文の基本構造
3-3. 回数指定と条件付きループの違い
3-4. 実例:1〜10まで数える/全データ処理
3-5. 反復とミス:無限ループに気をつけよう
3-6. ミニテスト&レベルチェック③
第4章 混合処理 ― 3つの処理を組み合わせる
4-1. 複合的な処理の考え方
4-2. 順次+分岐+反復の設計図を描く
4-3. 実例:自動販売機のモデルとロジックを考える
4-4. プチプロジェクト:簡単なアプリを作ろう
4-5. ミニテスト&レベルチェック④

第5章 ステップアップへの道
5-1. データと変数の整理(復習)
5-2. 入出力と関数の考え方(再利用)
5-3. 自作関数へのステップ
5-4. 再チェック:最初の現状チェックを振り返ろう
5-5. 修了メッセージと次のステップ

これからプログラミングを本格的に学ぶ人にとって、「なぜこう動くのか?」を深く理解するために、C言語の経験は非常に役立ちます。
C言語では、プログラムの動作を一つひとつ丁寧に設計・記述する必要があるため、自然と「しくみを考える力」や「論理を構造化する力」が身につきます。
このような基礎力は、JavaやPythonといった高級言語を学ぶ際にも、しくみの理解・動作の把握・エラーの特定といった面で大いに効果を発揮します。
特に、「順次処理・分岐処理・繰り返し処理」といった基本構造は、どの言語にも共通するロジックであり、C言語でその本質を学んでおくことは、他の言語へのスムーズな応用・展開にもつながります。
本コースでは、C言語の文法習得にとどまらず、現実の問題やしくみを「モデリング」し、ブロック図・フローチャート・状態遷移図・擬似コードといった視覚的表現で設計する力の育成を重視します。
これらの図を通して、「動きの流れ」や「条件による変化」を構造的に捉え、それをプログラムへと変換するスキルを体系的に習得していきます。
構造を考え、表現し、動かす。
この一連のプロセスこそが、すべてのプログラミングに通じる、本質的な力なのです。
