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Rich Picture:Idea Generation and Bird’s-Eye View

― 自分たちの体験や気づきから、新しいビジネスの可能性を描く ―

新規ビジネスを企画する時、最初から完成したビジネスモデルを考える必要はありません。

まず、自分たちの日常生活や体験を振り返ってみましょう。

「こんなサービスがあれば便利なのに」

「なぜ、こんなに不便なのだろう」

「この素晴らしいものを、もっと多くの人に知ってもらいたい」

「こんなことができたら、きっと楽しいだろうな」

こうした身近な気づきの中に、新しいビジネスの可能性があります。

大切なのは、自分が感じた喜び、不便、不安、疑問などを出発点として、他の人にも共通する価値や課題がないかを考えることです。

自分自身の体験から生まれた小さな気づきが、多くの人に共感される新しいビジネスへと発展するかもしれません。

リッチ・ピクチャー(Rich Picture)とは、自分たちが思い描く世界やアイデアを、一枚の絵として表現する方法です。

文章だけで説明するのではなく、人物、場所、モノ、サービス、出来事、気持ちなどを自由に描きながら、全体像を見えるようにします。

例えば、新しいサービスを考える時には、次のようなことを思い浮かべてみましょう。

  • 誰が、どのような場面で困っているのか。
  • その人は、どのようなことを実現したいのか。
  • どのような人やモノ、サービスが関係しているのか。
  • 新しいサービスによって、どのような喜びが生まれるのか。
  • そのサービスが実現すると、人々の生活はどのように変わるのか。

こうしたイメージを、一枚の絵の中に自由に描いていきます。

絵を上手に描く必要はありません。

人物は簡単なイラストでも構いません。矢印や吹き出し、短い言葉を使って表現してもよいでしょう。

大切なのは、自分たちが実現したい世界を、チームの仲間と共有できる形にすることです。

本講座では、新規ビジネス企画の具体例として、「地域で素敵を体験(地域の匠)」を紹介します。

このビジネスの出発点は、地域の人々が日常生活の中で持っている知恵や技能、自然や文化の魅力に着目したことです。

例えば、地域には漁業や農業に携わる人々がいます。

長年の経験によって培われた知恵や技能、地域ならではの暮らし方があります。

地域の人々にとっては、ごく当たり前の日常かもしれません。

しかし、都市部で生活する人々や旅行者にとっては、それが新鮮で魅力的な体験になる可能性があります。

そこで、次のようなアイデアを考えてみます。

「地域の人々が持つ知恵や技能を、訪れた人が一緒に体験し、学べるサービスにできないだろうか」

「一度の体験で終わらず、地域の人々と継続的な関係をつくることはできないだろうか」

こうした発想を、一枚のリッチ・ピクチャーとして描いていきます。

この段階では、具体的な収益モデルや運営方法まで完成させる必要はありません。

まず、自分たちが実現したい世界を描き、その中にどのような価値があるのかを考えることが重要です。

ここからは、4〜5名のチームで実践してみましょう。

最終的には、チームで一つの新規ビジネスを企画していきます。

まずは、それぞれのメンバーが自分の経験やアイデアを持ち寄り、チームとして実現してみたい世界を描いていきます。

Step 1 自分自身の体験や気づきを書き出す

最初は、個人で考えます。

自分がこれまでに体験したことや、日常生活の中で気になっていることを思い浮かべてください。

「困ったこと」「嬉しかったこと」「もっと便利になってほしいこと」「こんなことができたら面白いと思うこと」など、自由に書き出してみましょう。

最初から新しいビジネスとして成立するかどうかを考える必要はありません。

まずは、自分自身の言葉でアイデアを出してみてください。

Step 2 チームでアイデアを共有する

次に、メンバーそれぞれが考えたアイデアを紹介します。

一人のアイデアを聞いて、別のメンバーが新しいアイデアを思いつくこともあります。

「それは面白そうだね」

「私も同じような経験をしたことがある」

「こんなこともできるんじゃないかな」

お互いの経験や考えを共有しながら、アイデアを広げていきましょう。

この段階では、他の人のアイデアをすぐに否定したり、結論を急いだりする必要はありません。

Step 3 実現してみたい世界を考える

チームで出したアイデアの中から、特に興味を持ったテーマについて話し合ってみましょう。

そのアイデアが実現すると、誰が喜ぶのでしょうか。

どのような困りごとが解決するのでしょうか。

人々の生活や社会は、どのように変わるのでしょうか。

「自分たちは、どのような世界を実現したいのか」

この問いを中心に、チームでイメージを膨らませていきます。

Step 4 一枚のリッチ・ピクチャーを描く

いよいよ、チームで一枚の絵を描きます。

大きな紙やホワイトボードなどを使い、自分たちが実現したい世界を自由に表現してみましょう。

まず、中心となる人物や場面を描きます。

その周囲に、関係する人々、モノ、サービス、場所などを加えていきます。

人物の気持ちや、サービスによって生まれる喜びなども、吹き出しや短い言葉で表現してみてください。

チームのメンバー全員が描くことに参加し、アイデアを加えていくことが大切です。

Step 5 描いた絵を見ながら話し合う

完成したリッチ・ピクチャーを、チーム全員で眺めてみましょう。

そして、次の問いについて話し合ってみてください。

「自分たちが実現したいことは、絵の中に表現できているだろうか」

「このサービスを利用する人は、本当に喜んでくれるだろうか」

「関係する人々にとって、どのような価値が生まれるだろうか」

「まだ描けていない、大切なことはないだろうか」

新しい気づきがあれば、絵に描き加えてみましょう。

一度描いた絵を完成形と考える必要はありません。

話し合いを重ねながら、チームとして実現したい世界を少しずつ具体化していきます。

ここまで、身近な体験や気づきを出発点として、新しいビジネスの可能性を一枚の絵に描いてきました。

リッチ・ピクチャーを描くことで、チームのメンバーが、それぞれ頭の中に思い浮かべていたイメージを共有できるようになります。

しかし、これだけでは、まだ新規ビジネスの企画として完成したわけではありません。

例えば、実際にサービスを提供するためには、誰が何を担当するのか、どのような仕組みが必要なのか、どのような課題があるのかを考えていく必要があります。

そこで、次のStage 2では、リッチ・ピクチャーに描いた世界を整理し、ビジネスイメージ図として具体化していきます。

「絵として描いた夢やアイデアを、ビジネスとして検討できる図へと発展させる」

これが、次の学習テーマです。

今回のStage 1では、チームで次の成果物を作成しましょう。

チームで実現したい新規ビジネスのリッチ・ピクチャー(一枚の絵)

その絵を見ながら、誰にどのような価値を提供したいのか、自分たちの言葉で簡潔に説明できるようにしておきましょう。

このリッチ・ピクチャーが、これから取り組む新規ビジネス企画の出発点になります。

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