― AIフル活用時代に、人間が鍛えるべき「モデリング力」と「ロジック力」 ―

目 次
【Step1:変化を読み解く(歴史と役割の変遷)】
0-1 情報技術の変化を読み解く
0-3 ICT・IT・DXと職種の変遷
【Step2:AIを武器にする(生成AIとの共創)】
0-4 AI(Artificial Intelligence)の歴史と現在
0-5 生成AIを活用する5つのステージ
【Step3:未来をデザインする(安心・安全・快適でサステナブルな地球)】
0-6 モデリング力とロジック力が必要になる理由
0-7 未来をデザインするために
第0章のまとめ
著作・制作 株式会社ワイドブック
代表取締役 廣本 寿夫(Hisao Hiromoto)
監修・企画協力 岡山県立大学
学長 五福 明夫(Akio Gofuku)

はじめに
本章は、ICT、IT、IoT、DX、そして生成AIの変遷を整理しながら、これからの時代に不可欠となる「モデリング力」と「ロジック力」を身につけるための導入編です。
コンピュータの登場以来、私たちの仕事は「紙と手作業」から「事務処理システム」へ、そして「インターネットやクラウド」を通じて社会全体が繋がる仕組みへと大きく広がってきました。
この歴史は、単なる技術の進歩ではありません。「業務をどう支え、人と組織をどう繋ぎ、価値をどう生み出すか」という、仕事のあり方を変革してきた歴史です。
特に2022年以降、生成AIの登場によって、情報の収集・分析・文章化といった「知的作業」の進め方は劇的に変わり、AIは私たちの強力なパートナーになりました。
しかし、生成AIが進化するからこそ、人間に求められる役割がより明確になります。 それは、現状を正しく捉えて全体の絵を描く「モデリング力」と、そのモデルを実行可能な流れや条件として筋道立てて整理する「ロジック力」です。
この「人間にしかできない設計」さえカチッと行えば、そこから先の実装や実務はAIがフル活用で形にしてくれます。
細かな用語や年代を暗記する必要はありません。
まずは情報技術がどのように社会を変えてきたのか、その大きな流れを読み解き、あなた自身の手でより良い未来をデザインするための出発点にしていきましょう。

本章の位置づけ
本章を読み進めるにあたって、細かな用語や歴史をすべて暗記する必要はまったくありません。
重要なのは、情報技術がどのように発展し、仕事や社会のあり方をどのように変えてきたのかを「大きな流れ」として捉えることです。
その流れを掴んだうえで、DX時代・生成AI時代を生き抜くために、なぜ次の「2つの力」が必要になるのかを順番に確認していきます。
- モデリング力: 現状を正しく捉え、全体の仕組みを「見える化」する力
- ロジック力: 見える化した仕組みを、実行可能な「流れ」に整える力
まずは肩の力を抜いて、技術と社会のダイナミックな変化の歴史を、リラックスして読み解いていきましょう。


図0-0-1 生成AI情報を集め、整理し纏める優秀なアシスタント
この「これまで」の体制は、私がかつて富士通のコンサルタント時代に、実際にクライアントへの提案資料を作っていたプロの現場そのものです。
当時は、情報収集の専門部隊である「リサーチャー」に調査を依頼し、私が指示した目次や構成案に沿って資料をまとめる「アシスタント」を二~三名率い、最終的に私が全体を統合・チェックして責任を持つという体制で仕事を進めていました。
これからの時代は、この「リサーチャー」と「アシスタント」の役割の多くを、生成AIが一括して、しかも瞬時にサポートしてくれます。
このとき、目的に応じて複数の生成AIを活用することがポイントです。
だからこそ、これからの人間に求められるのは、作業をこなす力だけではありません。かつてのコンサルタントのリーダーと同じように、何を調べるか、どうまとめるか、全体の絵を描くかというモデリング力と、それをどのような順番・判断で行うかというロジック力を定める役割へシフトしていくのです。
そして最終的に、あなた自身が全体を統合・チェックし、責任を持つことが最も重要です。
