~ポジティブな影響力~
本コースは、企業・団体におけるリーダー養成研修や、大学など高等教育機関での15回の連続授業を想定して開発した教育コースです。
コース目標:
・ポジティブな影響力の概念と、その効果的な発揮方法を理解する。
・チームを成功に導くための本質を学ぶ。
・自らのリーダーシップを向上させる方法を身につける。
・「リーダーシップの十字モデル」について理解を深める。
・チームの成果とともに、人材育成の重要性を理解する。
・人材育成における「ティーチング」と「コーチング」のポイントを理解する。
・自身のリーダーシップ向上に向けたアクションプランを策定できるようになる。
“Leadership That Drives Team Success” – The Power of Positive Influence
This course is designed as an educational program intended for leadership development training in companies and organizations, as well as for a series of 15 consecutive sessions at universities and other higher education institutions.
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Course Objectives:
- Understand the concept of positive influence and how to apply it effectively.
- Learn the key principles for leading a team to success.
- Acquire methods to enhance one’s own leadership skills.
- Deepen understanding of the “Cross Model of Leadership.”
- Recognize the importance of talent development alongside team success.
- Understand the core elements of “teaching” and “coaching” in human resource development.
- Be able to formulate a personal action plan for leadership improvement.

目次
第1章 リーダーシップとは
第2章 リーダーシップはなぜ必要か
第3章 リーダーとリーダーシップ
第4章 チームとは?チームビルディング
第5章 様々なリーダーシップが存在する
第6章 リーダーシップの特徴
第7章 変化するリーダーシップ
第8章 リーダーシップの実践:
VSOPモデル①:ビジョンを持つ(V:Visioning)
第9章 リーダーシップの実践:
VSOPモデル②:戦略を設定する(S:Strategy Setting)
第10章 リーダーシップの実践:
VSOPモデル③:目標を共有する(O:Objective Sharing)
第11章 リーダーシップの実践:
VSOPモデル④:成功への熱意(P:Passion to win)
第13章 まとめ・リーダーシップ総合演習
第14章 総括・振り返り・レポート記述

第1回授業
シラバス・授業概要の説明
この講義は、廣本亜矢子と廣本寿夫が担当します。
主な内容は以下の通りです:
1. 授業の目的
– チームワークとリーダーシップの重要性を学ぶ
– 「ポジティブな影響力によるリーダーシップ」を発揮できるようになること
2. 学習到達目標(6つのポイント)
– ポジティブな影響力によるリーダーシップの重要性の理解
– リーダーシップの向上方法の文章化
– 状況判断と適切な行動の選択
– 熱意を持った自発的な行動
– チームメンバーを元気にし、成功に導く方法の習得
– 授業やグループワークへの積極的な参加
3. 特徴
– 正解や模範解答はない
– 失敗を恐れず、考え、試すことが重要
– 最終回にレポートを提出し、理解度を評価
授業は、社会や企業活動で求められるチームワークとリーダーシップスキルの育成を目指しています。
廣本亜矢子の自己紹介イメージビデオ
講義を担当しています、廣本亜矢子です。同じ名字の廣本寿夫が講義動画の共同制作者として関わっていますので、私は「亜矢子先生」または「女性の方の先生」と呼んでいただけると助かります。
普段は、企業や大学で若い世代の育成に携わるとともに、株式会社ワイドブックの取締役として、企業の人材育成、コンサルティング、eラーニング制作などを行っています。
趣味は料理で、とくにおせち料理づくりは毎年の楽しみです。コロナ禍の自粛期間中は、ゲームが癒しの時間でした。
顔と名前を覚えるのがあまり得意ではないので、積極的に話しかけてもらえると嬉しいです。授業はWeb動画では標準語ですが、対面では8割ほど大阪弁になります。びっくりしないでくださいね。
廣本寿夫
はじめまして。株式会社ワイドブックの廣本寿夫です。本日は、私のこれまでの活動と現在の取り組みについて、簡単にご紹介させていただきます。
私は2007年8月、大阪府高槻市に株式会社ワイドブックを設立し、人材育成や教育支援を中心とした事業を展開してきました。2015年には和歌山県海南市に**「ワイドブックオレンジフィールド」を開設し、地域活性化に向けた実験的な取り組みをスタート。さらに2020年からは、岡山県・蒜山高原に「ワイドブック蒜山グリーンフィールド」**を設け、eラーニング教材の制作や情報発信の拠点として活用しています。
私自身のキャリアとしては、1980年に大阪府立大学に入学し、水の流れをテーマに研究を行っていました。その後、教育・コンピュータ・国際化を軸に、幼稚園から大学院まで幅広い教育現場に携わってきました。
1987年には富士通に入社し、約20年間にわたりビジネスとICTの融合に取り組んできました。2002年には「富士通コンサルティング事業本部」の立ち上げに関与し、ICTを活用した新しいビジネスモデルの構築にも力を注ぎました。
現在は、蒜山グリーンフィールドにおいてテントサイトや自然環境を活かした人材育成の場づくりを進めつつ、映像教材や認定制度など、次世代に向けたナレッジソリューションの開発にも取り組んでいます。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 リーダーシップとは Chapter 1: What is Leadership?
みなさん、こんにちは。
今日から「リーダーシップ」に関する授業が始まります。初回の今日は、この授業全体の概要と、これから皆さんに学んでいただく“リーダーシップの本質”についてお話ししていきます。
まずお伝えしたいのは、「リーダーシップは一部の限られた人だけのものではない」ということです。リーダーシップは特別な才能ではなく、誰でも日常の中で少しずつ発揮できる力なのです。そうした考え方をベースに、この授業は構成されています。
今日の授業では、テキストの2ページをもとに、現代の企業で求められるスキルについて確認していきます。どのような業種・職種であっても、リーダーシップは重要なスキルのひとつであり、それは“人を導く力”というよりも、“周囲に良い影響を与える力”だと捉えてください。
この授業で特に重視するのが、以下の6つのリーダーシップのポイントです:
- 積極的な働きかけによるリーダーシップの発揮
- ビジョンの提示
- 実現方法の明確化
- 周囲の共感と目標の共有
- 実現への熱意とやり抜く力
- 誰にでも発揮できるリーダーシップ
これらは、授業の後半――特に第8回以降で一つひとつ詳しく取り上げていきます。
また今日は、授業の導入として軽い個人ワークも行います。これは「自分なりのリーダーシップとは何か」を考える第一歩として取り組んでもらうものです。
本授業では、知識だけでなく、実際に自分の行動や考え方に置き換えて理解することを大切にします。ぜひ前向きな姿勢で臨んでください。
(1)リーダーシップの定義
本日の授業では、「リーダーシップとは何か」について、定義や考え方を中心にお話しします。
最初に、リーダーシップの一般的な定義について確認しておきましょう。広辞苑では「指導者たる資質、能力、力量、統率力」とされています。これは少し堅い印象ですね。さらに、ビジネス書として有名な『グロービスMBA経営書』では、「目指す姿に向かって、周囲を巻き込みながら影響を与えていく力」と定義されています。
では、この授業で扱うリーダーシップはどう捉えるか。
この授業では、リーダーシップ=ポジティブな影響力と定義します。
具体的には、個人・チーム・組織などに対して、自分から積極的に働きかけ、ビジョンを提示し、その実現方法を明確にしながら、周囲を導いていく行動を指します。
ここで重要なのは、リーダーシップは特別な役職や肩書きが必要なものではないということです。
実際には、「言葉」「行動」「態度」といった日常的なふるまいにこそ、リーダーシップは現れます。そしてそれは、意識すれば誰でも少しずつ発揮することができる力です。
今日はこの後、リーダーシップを身近に感じてもらうための演習を行います。
これは、実際の学生生活やグループワーク、自己紹介の場面などを想定した10項目のチェックリストです。例えば、「自分から挨拶する」「誰かをフォローする」「全体を見渡して動く」など、皆さんがこれまで経験してきた場面でもリーダーシップは十分に発揮されています。
この演習を通じて、リーダーシップは特別なものではなく、“誰でも発揮できる身近な力”であるということを、実感してもらえればと思います。
(2)ワーク・自己紹介を考える
本日の授業では、「自己紹介のパターンと構成」についてお話しします。
皆さんもこれまでに何度か自己紹介をする機会があったと思いますが、実は自己紹介にはいくつかのパターンがあり、場面や目的に応じて使い分けることがとても重要です。たとえば、就職活動、授業の冒頭、初対面の相手との会話など、それぞれにふさわしい表現や情報の選び方があります。
今日はその一例として、私自身の自己紹介を取り上げてみたいと思います。テキストの7ページを開いてください。ここでは私の紹介をベースに、どのような構成で話を組み立てているかを見ていきます。
自己紹介は、次の4つの要素で構成すると整理しやすく、相手にも伝わりやすくなります。
- 所属と役割(どこで何をしているのか)
- 仕事内容(主にどんなことを担当しているか)
- 興味・関心や趣味(人柄や価値観が伝わる部分)
- リーダーシップ発揮における協力依頼(自分らしく活動するために周囲にお願いしたいこと)
特に4つ目、「協力依頼」は、この授業で学ぶリーダーシップの発揮に直結する大切な視点です。自分が何をしてほしいか、どう関わってもらいたいかを言葉にすることで、より良い関係づくりの第一歩になります。
それではここで、皆さんにも実際に自己紹介文を作っていただきます。
今ご紹介したパターンに沿って、自分自身の自己紹介を1つ作成してみてください。趣味や関心のあることは、授業に直接関係なくても構いません。むしろ、皆さんの個性が伝わる内容にしてもらえると嬉しいです。
作業時間は10分です。できあがったら、何人かに発表してもらいますので、準備を進めてみてくださいね。
まとめ
今回の授業では、「リーダーシップの本質」と「その実践方法」について、皆さんと一緒に考えてきました。
まず、この授業で扱うリーダーシップは、「一部の特別な人が持っている能力」ではありません。誰にでも発揮できる、普遍的な力であるということを強調しました。定義としては、「ポジティブな影響力」という言葉でまとめています。
では、その「ポジティブな影響力」とは何か。
それは、チームメンバーや周囲の人々に対して、自分から積極的に働きかけ、ビジョンを示し、その実現に向けて一緒に進んでいくことです。ただ命令をするのではなく、共感や協力を引き出すリーダーシップです。
そして、リーダーシップは「言葉」「行動」「態度」の3つを通じて具体的に表れます。たとえば、何気ない一言や、周囲への気配り、物事への向き合い方など、日常の中で自分の在り方が問われていくことになります。
今日の後半では、授業の評価方法や成長目標の課題についてもお伝えしました。
テキストの3ページと9ページを使って、リーダーシップの定義に関する設問に取り組んでもらいましたが、これは単に答えるだけでなく、自分自身の考え方を整理する機会として活用してください。
また、授業の最後には、**「今後の自分の成長目標」**について記述してもらいました。これには、自分がどのようなリーダーシップを発揮していきたいのか、その目標と理由を言語化してもらうことを意図しています。
参考として、テキスト10ページのまとめも紹介しました。
回答の下書きや考えの整理に役立ててもらえたらと思います。
それでは次回も、さらに一歩踏み込んだリーダーシップの実践に向けて、学びを深めていきましょう。ありがとうございました。
以上
※第1回の課題は、指定のフォームにて回答・提出してください。

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